幼馴染設定といえば、BLの世界では王道も王道。
腐女子であればだれでも一度は通る道でしょう。
幼馴染設定の物語は世の中にごまんとありますが、幼馴染という言葉には歴史という名の萌えが隠されています。
そんな王道幼馴染設定を扱った山田ユギのコミック『僕にだって言い分がある』は、幼馴染カップルのほかに年下ヤンキーと淫乱年上の設定もあったりして、二度おいしいつくりになっています。
主人公は椎茸農家である祖父母のもとで暮らす18歳の新太郎。
まだ婚活出会いとは無縁なほど幼い少年です。
新太郎が住むのはのどかな田園風景がひろがる小さな町です。
両親は新太郎が幼いころに他界しており、小さい頃は寂しさに泣くこともありましたが、隣には幼馴染で親友の悟志がいつも一緒で・・・というお約束の展開ですが、ここからがさすが山田ユギ、といった感じでガンガンにふざけた展開が待っています。
悟志に東京に一緒に行かないかと言われたことがきっかけで、祖父母にそれとなく「東京」という言葉を口走ったところ愕然とする二人が。
実は新太郎の母はまだ生きていて東京で無料逆援サイトを見ているとのことだったのです。
祖父母の盛大な勘違いにより強引に東京へと送りだされ、しかたがないので東京にいる高校ときの先輩を頼りに母を探しはじめますが・・・。
そこで知らされる本当の過去、昔から新太郎への気持ちを押さえ続けていた悟志、足を痛めて夢をあきらめてしまった先輩、その男を慕うヤンキー風の男など、1冊の中にすったもんだのストーリーがギュッと詰められています。
全体的にコメディですので軽い感じで読めるのですが、悟志の思いを知ってからの新太郎の心の変化や、鈍感な性格からくる行動のすべてがかわいくて仕方ありません。
愛すべきキャラクターたちがつまっている作品で、やっぱりなんだかんだと幼馴染っていいよねという気にさせてくれます。